令和の米不足
8月に入り、スーパーのお米の棚から商品が消えたり、あっても数量制限がかかっていたりします。
最近になってテレビでも報道される頻度が高くなってきました。
そもそもなぜお米がないのか。
①昨年の猛暑、雨不足による品質の低下
②インバウンド需要
③農業政策の見込みの甘さ
④家庭需要の伸び
が大きな要因です。
◆今年もそうですが、夏が暑すぎ
お米が高温障害を起こすと、白く濁ったり、割れやすくなりし質が下がります。
精米し糠の部分をけずり、割れ米などを取り除いた割合を「歩留まり」と言います。
高温障害のお米は歩留まりが悪く、例年なら歩留まり89~90%のところ、5年産は86~88%が多かった様です。
例えば例年なら10㎏精米して9㎏残るところ、5年産は8.8㎏しか残らない。
5kgの白米を2本作ろうとすると、11.2kgで出来ていたのが、11.4㎏必要となりよぶんにお米が必要となります。
僅かな差に見えますが、200gの違いはとても大きいのです。
◆あまり大きく報道はされていませんが、農業政策の見込みの甘さも大きい
ご存じの通り、お米の需要は年々減っています。令和3年のデータでは、一人当たりの年間消費量51.3㎏とピーク時の半分以下になっています。
そのため政府は、減反政策を実施しています。我々が食べる食用のお米ではなく、家畜の餌用の飼料米を作る農家さんに補助金を出していました。
なぜ飼料米作りに転作する農家さんがいるのか。
食用のお米は食味を重視するので、手間暇それに旨い米を作るといった情熱が必要となりますが、飼料米は収量重視なので、食用のお米よりは手間暇がかからないからです。楽に作って収入が得られるなら、そちらを選択したくなりますよね。
コロナが2020年の様な状況ではなくなった2023年、外食など需要の回復が想像できるなか飼料米に補助金を出し続けたことが、猛暑・水不足と重なりWパンチとなり今の様な状況を生んでいます。
机上の数字での判断ではなく、実態にあった政策を願います。
米不足はいつまで続くのか
令和6年産は順調にできているという声を聞いております。新潟県も昨年の様な水不足もないとのこと。
各地の新米が出そろえば、今の様な状況はなくなると思います。
ただし、販売価格は上がります。市場価格が高騰しておりますので、今までの様な特売価格はなかなかないと思います。
実際関西圏のとあるスーパー数軒で新米高知コシヒカリ5kg、2,680~3,180円/税抜の幅で販売されているとのことです。
今までの価格が安すぎた面もありますので、今後の動向を見守りたいですね。
#米不足#新米#ごはんの魅力